投稿日 : 2017年6月25日 | カテゴリー : モディ 車などに火をつけ抗議する農民たち インドに出張中だった今月上旬、ラジャスタン州境に近いインド中部マディヤプラデ州のマンドソール(Mandsaur)という場所で、で債務免除を要求する農民のデモと警察官がもみ合い、5人の農民が射殺された。モディ首相の推進する「インドでモノづくりを(Make in India)」と技術者養成(Skill India)はインドにとって必須事項だが、それ以上の難題は農業政策だ。就労人口の約半分が第一次産業に従事するが、創り出す冨は国民総生産(GDP)の15%程度と、その非効率さは目を覆わんばかりで、特に悲惨なのは零細農家。まさに日本流に言う「水のみ百姓」そのものだ。 農業は非課税の恩典を受けているが、恩恵を享受しているのは富農で、零細農家にはその恩恵は及ばない。彼らは春先蒔く種を買うために借金をし、旱魃等による不作で返済が出来ないと多くの人が自らの命を絶つことになる。借金で種を買う農民はまだ良いが、自暴自棄になっている農民は、種を買うはずの借金で安い(危険な)酒を買い、自ら破滅の道を歩む。 そこに付け込んだ政治家が農業債務の減免を政治公約とし、選挙に勝とうとする。インド最大の州であるウッタル・プラデッシュ(UP)州では、先の州議会選挙でインド人民党(BJP)が農業債務の免除を謳い大勝した。それは、税収等に裏づけされていないばら撒き政策であり、危険極まりない。 モディ首相は国際格付け機関がインドのレーティングを「投資適格最下位」にしていることに不満を漏らすが、累積する農業債務を考えれば、文句も言えまい。大手格付け会社ムーディーズによれば、2016年の国と州の債務合計はGDPの67.5%に達し、その上農業債務の免除を行なえば国全体の債務は増える一方で、格付け上位への変更など望むべくもない。 農業債務総額は9.5兆ルピー(約17兆円)といわれ、インド国家予算の半分くらいの額になる。この債務の免除を政治の具に使うことの国益への悪影響を考えれば、とてもまともな政策とは思えないし、農民救済の抜本的対策にはなっていない。 インド政府は今年度(2017/4-2018/3)の予算案で「5年間で農民の所得倍増」を謳い、そのために農業分野へ1兆ルピーの融資枠を設け、60日間の利子免除を盛り込んだ。しかし具体策に乏しい。“Make in India”に農業部門を組み込み、国を挙げた農業事業の発展を考えないと、何時までも二流国の域を脱することは出来ない。 このブログ記事へのお問合せ、ご感想、ご意見は“ インド・ビジネス・センター “までお寄せください。 Source: http://ibcjpn.com/shimada/2017/06/25/make-in-india%EF%BC%88%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%A7%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%82%92%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E6%B7%B1/
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2018年10月04日 フィナンシャルエクスプレス 印刷・メール [Financial Express]インドの首都ニューデリー郊外で警察が水の砲や催涙ガスを使用して街に入る数千人の抗議農家を止める衝突が発生した、とアル・ジャジーラは報告している。高い燃料価格から回復した農家は、農産物の支援価格の高騰、2019年に予定されている選挙に先立つ農業貸付の免除など、政府の支援を求めている。隣接する北部州からの行進で、農民は高速道路の1つをデリーにブロックし、トラクターを使って警察の障壁を突破しようとテレビの写真が示した。ある人は警察に石を投げつけたと伝えられている。この抗議運動は、ナレンドラ・モディ首相の首相を批判する農民グループのバーティヤキサン連合(インド農民組合)の旗のもと、デリーの外界に歩いて、バスやトラクターのトレーラーに達した。組合のメンバーであるダーメンデラ・マリク氏は、アルジャジーラに対し、警察が非武装農家に「催涙弾と弾丸弾丸」を発砲したと語った。彼は50人が負傷したと主張した。警察はすぐにコメントに達することができなかった。しかし、パンカジ・シン警察当局(東)は、農家が国の首都に入るのを止めるための警察の決定を擁護し、 &クオト;法と秩序の状況&クオト;を作り出すと言った。選挙は来年インドで予定されており、票決が近づくにつれて、農家やその他の団体を代表する組合が、投票箱での支援と引き換えに甘味料を確保するための抗議行動を繰り広げている。火曜日に実証した農家は、主に2億人以上の人口を誇るインド最大の人口を誇るウッタル・プラデーシュ州(ウッタル・プラデーシュ州)(UP)農民のアブマヤ・コハル氏は、警察の抗議行動を非難し、農民たちは彼らの要求が満たされるまでデモを続けると述べた。「民主化の中で対話が行われなければならないが、この政府は否定的な態度であり、農業危機があると受け入れることはしたくない」と述べ、アルジャジーラに次のように述べた。 。モディと彼の右翼のブハーアチヤ ジャナタ パートー(BJP)は、最後の選挙で全ての野党をUPに導いた。彼はいくつかの調査によれば、個人的に人気がありますが、4年間の党政権支持は、有権者の雇用や燃料価格の高騰の懸念から侵食されています。Bangladesh News/Financial Express 20181003http://today.thefinancialexpress.com.bd/last-page/india-police-clash-with-farmers-in-delhi-1538504019/?date=03-10-2018 Source: http://bddnews.com/post/20181004_64702/
Read More2021/01/24 18:34 インドで農作物取引を自由化する新法に対する農民の抗議デモが、約2カ月間続いている。デモ現場の一つである首都ニューデリーと北部ハリヤナ州の州境付近では、警察が封鎖した高速道路に農民数万人がトラクターなどで駆けつけ、荷台やテントで寝泊まりしながら座り込みをしている。政府は農民側と協議を重ねているが、事態打開の兆しは見えない。 「新法によって農作物は買いたたかれる。(デモで体に負担がかかり)これまでに参加者150人が亡くなった。彼らの犠牲を無駄にしないためにも、法律が撤回されるまで闘い続ける」。主催者の一人で農民団体幹部のサトナム・シン・パヌさん(65)は23日、デモ現場でこう主張した。 新法は2020年9月に成立した。農作物は従来、州政府が指定する卸売市場で取引されることが原則だったが、新法では販路が自由化された。モディ政権には、農業の大規模化や流通網の効率化といった狙いがあるとされる。 一方、インドでは農地が2ヘクタール未満の小規模農家が9割近くを占める。農民側は大手の民間業者による買いたたきへの不安に加え、政府は否定しているが、米や麦に適用される「最低価格保証」が撤廃される可能性があるとして反発している。 シーク教徒を中心とするデモ参加者は、封鎖された高速道路に集会を行うステージを設置。ステージの周囲では大規模な炊き出しが行われ、雑貨を売る露店も複数出ており、さながら「野外フェスティバル」のような光景だ。インドは新型コロナウイルスの感染者が世界で2番目に多いが、マスクを着けている参加者はほとんどいない。 パヌさんによると、憲法施行を祝う共和国記念日の1月26日に、トラクターでニューデリー中心部に乗り込む計画もあるという。【ニューデリー松井聡】 Source: https://cont.t-com.ne.jp/international/414839_1.html
Read More2021/01/24 18:34 封鎖された高速道路で座り込みを続ける農民=首都ニューデリーと北部ハリヤナ州の州境付近で2021年1月23日、松井聡撮影 (毎日新聞) インドで農作物取引を自由化する新法に対する農民の抗議デモが、約2カ月間続いている。デモ現場の一つである首都ニューデリーと北部ハリヤナ州の州境付近では、警察が封鎖した高速道路に農民数万人がトラクターなどで駆けつけ、荷台やテントで寝泊まりしながら座り込みをしている。政府は農民側と協議を重ねているが、事態打開の兆しは見えない。 「新法によって農作物は買いたたかれる。(デモで体に負担がかかり)これまでに参加者150人が亡くなった。彼らの犠牲を無駄にしないためにも、法律が撤回されるまで闘い続ける」。主催者の一人で農民団体幹部のサトナム・シン・パヌさん(65)は23日、デモ現場でこう主張した。 新法は2020年9月に成立した。農作物は従来、州政府が指定する卸売市場で取引されることが原則だったが、新法では販路が自由化された。モディ政権には、農業の大規模化や流通網の効率化といった狙いがあるとされる。 一方、インドでは農地が2ヘクタール未満の小規模農家が9割近くを占める。農民側は大手の民間業者による買いたたきへの不安に加え、政府は否定しているが、米や麦に適用される「最低価格保証」が撤廃される可能性があるとして反発している。 シーク教徒を中心とするデモ参加者は、封鎖された高速道路に集会を行うステージを設置。ステージの周囲では大規模な炊き出しが行われ、雑貨を売る露店も複数出ており、さながら「野外フェスティバル」のような光景だ。インドは新型コロナウイルスの感染者が世界で2番目に多いが、マスクを着けている参加者はほとんどいない。 パヌさんによると、憲法施行を祝う共和国記念日の1月26日に、トラクターでニューデリー中心部に乗り込む計画もあるという。【ニューデリー松井聡】 Source: https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20210124k0000m030114000c.html
Read More–著者井上 恭子権利Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所 / Institute of DevelopingEconomies, Japan External Trade Organization(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp雑誌名アジア経済巻43号8ページ24-40発行年2002-08出版者日本貿易振興会アジア経済研究所URLhttp://hdl.handle.net/2344/91 Pdf: file download Source: https://core.ac.uk/download/pdf/288460451.pdf
Read More1 内政 【連邦政府】 12月10日 モディ首相臨席の下、国会議事堂新築に向けた定礎式が行われた。 【農業関連法】 12月4日 現地メディアは、3日に開催された農民代表と中央政府大臣等による協議が結論に至らなかった旨報じた。7時間に渡って行われた同協議では、政府側は農業関連法のレビューを行い、農民の要求に応えるために必要であれば修正を行うことに合意した。中央政府は、農民に対して農業関連法に8点の修正を行い、最低支持価格(MSP)の保証を提供したものの、農民は農業関連法の撤回を強く要求した。 12月7日 現地メディアは、カイラシュ農業閣外大臣が農業関連法は農民の利益に資するものであることを再強調し、同法律が撤廃されることはないが、必要であれば修正を行うと述べた旨報じた。また、同大臣は、作物に対するMSP(最低支持価格)は継続されると述べた。 12月14日 全国で座り込みの抗議が行われ、一部指導者たちは、午前8時から午後5時までのハンガー・ストライキを実施した。また、ケジュリワル・デリー準州首相は、農民への連帯を示すため14日に断食を実施した。 トーマル大臣は、農業関連法への支持を表明しているマハラシュトラ州、ハリヤナ州、ビハール州、テランガナ州、タミル・ナドゥ州の全インド農民調整委員会(AIKCC)と面会した。 12月16日 グジャラート州カッチにおける牛乳加工工場定礎式に出席したモディ首相が、「現在、農民を間違った方向に導いている野党の人々は、自身の政府(コングレス政権)の時はこれらの農業関連法改革に賛成していた。彼ら(コングレス等)は、決定を下すことができなかった。今日、国が歴史的な一歩を踏み出すと、これらの人々は農業を誤った方向に導いた。」と述べた。 【冬季国会】 12月15日 現地メディアは、コングレスが農民の抗議運動等について議論するため短期の冬季国会の開催をビルラ下院議長に要求したが、政府が新型コロナウイルスの感染状況を受け、冬季国会は開催しないことが望ましいと回答した旨報じた。 【全国ストライキ】 12月8日 インド政府の推進する農業関連法に反対する政党(コングレス、左派政党等)、中央労働組合(CTU)等が、全国規模のストライキ(Bharat Bandh)を実施した。 【改正市民権法(CAA)】 12月12日 アッサム州(AS)における州議会選挙を数ヶ月後に控え、同州においてCAAに抗議する新たなラウンドが11日から開始された。同抗議運動は、北東部学生機構(NESO)、全アッサム学生連合(AASU)等、18団体から支持を受けている。 【ジャンム・カシミール(JK)準州】 12月23日 現地メディアは、JKで初の選挙となる地区開発協議会(District Development Councils、DDC)の協議員選挙結果として、全276議席中、BJPが単独で74議席した一方、グプカル宣言のための人民同盟(PAGD)が最大110議席を獲得した旨報じた。 【西ベンガル(WB)州】 12月9日 ナッダBJP総裁は、2021年のWB州議会選挙を視野に、2日間にわたりWBを訪問し、大規模なアウトリーチ・キャンペーンに参加した。翌10日、訪問中のナッダBJP総裁の車両への投石事案が発生、シャー内相(BJP)は州政府に公式報告を求めたがバナジー州首相(TMC)はBJPの自作劇と批判、州警察も事件を否定した。 12月13日 現地メディアは、全インド統一ムスリム評議会(AIMIM)が2021年のWB州議会選挙に向けた選挙体制を間もなく立ち上げる旨報じた。AIMIM関係者は、「オワイシ代表が間もなくWBを訪問する。我々は、WB州議会選挙を戦う。オワイシ代表が間もなく選挙委員会及び選挙を戦う議席数を発表するであろう。」と述べた。 【タミル・ナドゥ(TN)州】 12月4日 現地メディアは、俳優のラジニカントが2021年に予定されるTN州議会選挙に新たな党を設立し出馬する旨報じた。新たな党は1月に設立される予定。この動きは、反DMK党が分散するため州与党ドラビダ進歩連盟(DMK)にとっては有利に働くとも見られているが、多くは今後の連合の動き次第との見方を立てている。 【テランガナ(TL)州】 12月5日 ハイデラバード市議会選挙の結果が発表され、いずれの党も過半数となる76議席を獲得するに至らなかった(全150議席)。99議席を保有していた与党テランガナ国民会議(TRS)は56議席まで減少した一方、テルグ党(TDP)との連合でわずか4議席を保有していたBJPは単独で48議席を獲得した。全インド統一ムスリム評議会(AIMIM)は1議席減少の43議席を獲得した。 【ビハール(BR)州】 12月8日 ラム・ヴィラス・パスワンLJP党首逝去により実施された上院議会補欠選挙において、スシル・クマール・モディ元BR州副首相が当選した。 【ラジャスタン(RJ)州】 12月10日 州内で実施されたパンチャーヤト(村落レベル)選挙は、BJPがコングレスに勝利。全222パンチャーヤト議会における4371議席の選挙において、BJPは1989議席を獲得、コングレスは1852議席を獲得した。BJPは93のパンチャーヤト議会で勝利した一方、コングレスの勝利は81議会にとどまった。 2 経済 4日、インド準備銀行(RBI)は2~4日の3日間にわたって行われた金融政策決定会合(MPC)の結果を公表したところ、概要以下の通り。 ポイント 1.金融政策決定会合の結果 ○政策金利(レポ・レート)は4.00%で据え置き。リバースレポレートも3.35%のまま据え置き。 2.インフレ率見通し ○インフレ率の見通しは、過去2か月の予想に比べて悪化している。卸売インフレ率と小売インフレ率の間の実質的な不和は、供給側の障壁と消費者に課せられる大きな利ざやを表している。 ○穀物の価格は豊富なカリフ季作物(雨期作物)の収穫が行き渡ることで軟化する可能性があり、野菜の価格は冬に収穫する作物によって緩和する可能性があるが、他の食品の価格は高水準で持続する可能性がある。 ○原油価格は、需要回復による楽観主義、OPECの継続と減産により持ち直しており、当面は変動が続くと予想される。 […]
Read More【20/12/3/3】インドではCOVID-19が猛威を振るい、報告された感染者数は世界第2位となっていますが、数十万人の農民が首都ニューデリーに集まり、農業市場の規制を撤廃する新しい法律を撤回するよう政府に求めています。この法律は大企業に作物の価格を現在よりも大幅に低く設定する権限を与えるため、農家の生活は破壊されると主張しています。農業はインドの人口13億人の半数以上の人々の主な収入源です。今回の農民の反乱は、インドの労働者約2億5000万人がモディ政権の新自由主義的な労働改革に反対する史上最大のストライキと同時に行われました。インドのベテラン・ジャーナリストで「インド農村部の市民のためのアーカイブ」(People’s Archive of Rural India/PARI)を創設したP・サイナスに話を聞きます。サイナスは労働者階級のインド人は、議会で強行採決された「全くの悪法」に反対して立ち上がり、この抗議活動が終わる気配はないと言います Source: http://democracynow.jp/dailynews/20/12/03/3
Read More2021年1月15日、インド首都ニューデリーの中心部に多数の農民がトラクター等で乗り込み、政府への抗議活動を行う計画があります。同日予定されている農民団体と政府の協議が不調に終わった場合、市内中心部で交通状況の混乱や、取り締まりを行う治安当局と抗議参加者の間で小競り合いや衝突が発生することも否定できません。 インドでは昨年11月下旬から農産品取引を自由化する目的で制定された新たな農業法に抗議する農民らが各地で抗議活動を行っています。特に首都ニューデリーと隣接するハリヤナ州との州境では数万人単位の農民が空き地にテントを設け泊まり込みで抗議活動を行っています。これまでニューデリー市内中心部で大きな混乱は発生してきていませんが、農民団体は政府の交渉が硬直していることから明日協議が不調に終わった場合にはニューデリー市内でのデモを実施するとしています。 Source: https://kaigaianzen.jp/india/news/210114protest/
Read More南西ア・オセアニア2018年10月2日 19:06 【ニューデリー=黒沼勇史】インド北部ウッタルプラデシュ(UP)州の農民数千人の大規模デモが2日、首都ニューデリーとの州境に到着し、デリー警察が催涙弾や放水で越境を止める騒動が起きた。「インド小作人連盟」という農民の政治団体が9月23日にUP州西部を出発し、借金免責を求めたほか、電力・燃料の高騰に抗議していた。 地元メディアによると、ラジナート・シン内相は2日、要求の大半を受け入れると表明した。来年4~5月に総選挙を控え、モディ政権は農業資材の購入に補助金を出すなど、農民支援を打ち出している。ただ燃料高騰などに苦しむ農民は依然多く、政権を批判する声が各地で出ている。 Source: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36030560S8A001C1FF2000
Read More「買い上げ制度」廃止恐れ~変化望まぬ有力農民 2020/12/27 9月末に可決・成立した「2020年農産物流通促進法」など3つの新法、いわゆる「新農業法」に反対する抗議デモが一段と先鋭化、モディ政権の基盤を揺るがしかねない情勢となってきた。農産物流通の自由化や農業セクターへの民間資本導入を狙った新農業法は、モディ政権が遅まきながら打ち出した本格的な農業改革の第一弾。伸び悩んでいた農民の所得向上につながると期待されていたのだが、そこに大きな落とし穴があった。 州外、民間への出荷自由化 新たに施行された農業関連法は、(1)農産物流通促進法(2)農民保護・支援・価格保障及び農業サービス法、そして(3)改正基礎物資法の3つ。農産物流通促進法によって、これまでマンディと呼ばれる地域ごとの公設市場に農作物を販売することが半ば義務付けられていた農民は、州外の市場やスーパー、食品会社などの民間企業などに対して自由に作物を販売することが可能となった。マンディに君臨し、農民の情報不足に付け込んで農産物を買いたたく「ミドルマン」と呼ばれる仲介業者をある程度排除することにもつながりそうだ。ナレンドラ・シン・トマー農相は「新農業法は農産物の州間取引を促進し、農民に幅広い選択肢を与える」とメリットを強調している。 これまでも、大手食品メーカー向けにかんきつ類やポテトを供給する契約栽培などの「市場外取引」は盛んに行われており、地元紙の推計ではこれらのボリュームは農産物全体の40%近くに達するとみられている。新農業法によって、こうした優良農家の囲い込みは一段と拡大するだろう。もちろん、食品加工や農村向け金融、小売りなど関連サービスの成長にも期待が高まる。 しかし、拙速な法制化や事前の説明不足などもあり、肝心の農民の多くは最低支持価格(MSP)による「政府の農産物買い入れ制度」が廃止されると思い込み、一斉に反対に回った。これを野党や労組が扇動したため抗議デモはさらに激化、最悪の展開をたどった。右派民族政党シブ・セーナーや中央での最大野党国民会議派(コングレス)などの政党連合が州政権を握る西部マハラシュトラ州では、本来デモを押さえ込む側の州与党政治家らが率先して抗議デモを支援している有り様だ。 12月中旬には著名な学者ら10人が「市場でのセリ取引による価格形成を軽視すべきではない」「民間企業の参入で価格操作や農産物隠匿のリスクが高まる」などと警告、反対運動をさらに勢いづけた。それまでにも幹線道路を閉鎖し、高速道路の料金所を占拠したり、線路に寝転んで列車を止めたりと実力行使に打って出ていた農民らのデモ隊は、11月末になると首都デリーを目指して行進を開始、デリー・ハリヤナ州境など各地で警官隊と衝突した。この行進は1857年に起きた英東インド会社傭兵(セポイ、またはシパーヒー)の反乱と同じ「デリー・チャロー(デリーに進撃せよ)」というスローガンを掲げ、首都へと迫った。11月末の段階で全国で2億人以上が抗議デモやストライキに参加、30万人近くがデリーと周辺州境に張り付いていた。 デモ隊と警官隊の衝突では12月末までに50人以上が死亡、数百人が負傷するという事態に発展した。トラック運転手の組合などもストに参加したため、デリー周辺の物流にも大きな影響が出た。アミット・シャー内相ら政府首脳と農民代表は5回にわたって話し合いの場を設け、「MSP(最低支持価格)による農産物買い入れ制度の維持」や「新農業法の一部改正」などを提案したが、農民側はあくまで法律そのものの廃止を要求。さらには環境にダメージを与える麦わらの焼却を規制した法律の改正や、農村向け電力料金への優遇措置なども提示していて、いささか「調子に乗っている」という印象を受ける。こうした状況に対し最高裁も法施行の延期などを提案しているが、双方が大きく歩み寄る気配は見えず、平和的決着は程遠い状況だ。 新法に広がる警戒感 政府はこれまで、MSPによる農産物買い上げ制度は廃止しない、と再三繰り返してきたが多くの農民は聞く耳を持たないでいる。さらに、多くの農民は「民間企業との取引では、立場の弱い零細農民が大企業に価格主導権を握られてしまう」との警戒感を露わにしている 確かに新農業法には多くのデメリットが指摘されている。特に民間企業などとの相対取引が増えれば、価格形成における透明性の確保に問題が出る。需給によっては、民間企業への卸売り価格がMSPを下回る可能性もある。現に北部ウッタルプラデシュ州では2019年3~6月の約120日間のうち、67日間でラビ(乾季作)の平均市場価格がMSPを下回った。民間による農産物備蓄が解禁されるため、企業による買い占め招く可能性もある。MSP自体も政治家によって恣意的に決められることが多く、翌年に選挙を控えた2018年度予算案では一律50%の引き上げが実施された。そもそもMSPの算定方法にも異論が続出している。 今回の新農業法には、農民に対して適切な栽培技術や市場情報を提供して生産性向上を促すことなく、ある日いきなり「自由化します、好きなように農産物を売ってください」と言っている側面もある。これでは零細農は途方に暮れるほかはない。かといって今回の抗議デモは性急な改革で生活が脅かされる「貧しい零細農民の反乱」か、といえば決してそうではない。新農業法に反対する抗議デモの映像を見ると、デモに参加している農民の多くが、頭にターバンを巻いたシーク教徒であることに気づくだろう。抗議行動の中心地のひとつである西部パンジャブ州は、彼らシーク教徒が住民の6割近くを占め、その多くが農業に従事している。 パンジャブ州は英植民地時代からインド最大の穀倉地帯として知られ、かんがい普及率は全インド平均が50%弱なのに対して99%に達する。平均経営耕地面積も、平均の3倍を超える3.6ヘクタール。2020年にインド食糧公社(FCI)が買い入れた小麦のうち約33%、コメの20%がパンジャブ州産だ。2011年センサスによると、農家一戸当たりが受け取った補助金額は年間約12.2万ルピーと各州で最も多かった。こうした豊かな農業先進州ほど、既得権益を脅かす改革を恐れていることが手に取るようにわかる。政府は、「公設市場や買い入れ制度は廃止しない」と再三明言しているが、農民の疑心暗鬼はなかなか解消しない。公設市場の取り扱いシェアが減少すれば税金や手数料収入が減ってしまう各州政府も、本音では非常に不安だろう。 つまりモディ政権の農業改革は、農家を育成するという視点を欠いたまま流通改革を推進しようとしただけでなく、長年積み上げられた中核農家や農産物を扱う商人、そして公設市場に税収を依存していた州政府の既得権益に手を突っ込んでしまったのだ。二重の「失策」と言えるだろう。何よりもお互いの間に「信頼関係」がないことが歴然だ。 政策の大幅後退も こういう事態になると、選挙の大票田ある農民の怒りを何とか和らげようと、政府が新法の骨抜きに動く懸念も出てきた。政府はマンディを通さない自由取引への課税や、公設市場を通さない業者を登録制にする案を検討中、と言われるが、もしそうなら大いなる逆戻りだ。農産物取引について、農民が各地方裁判所に対して異議申し立てをする権利を付与する妥協案も取りざたされているが、これなども濫訴となって収拾がつかなくなる恐れがある。 隠れた農業大国であるインドの耕作可能地の総面積は1.6億ヘクタールと世界最大。バナナやオクラ、綿花の生産量は世界第1位、サトウキビやコメは世界第2位だ。しかしインド国民の6割が直接・間接に従事している農業では、小麦の生産性は欧州の約3分の1、コメは米国や中国の半分程度。もっぱら補助金を食いつぶす厄介な存在でもある。農家向け電力料金は各州政府の意向でいまだに極めて低く抑えられている。近年は減少傾向にあるものの、2020年度連邦予算案では肥料への補助金に歳出総額の2.3%、約7130億ルピーが計上された。 大きな潜在力があり、なおかつこれだけ手厚く保護されてきたインドの農業が今なお自立できていないのは政府の無策によるところが大きい。MSPは米麦などの穀物や豆、油糧種子、サトウキビ、コットンなど23種類の作物に適用されているが、しばしば政治的思惑から価格の引き上げが行われ、国家財政を圧迫している。政府買い入れ価格が国際価格を上回るというゆがんだ状況も恒常化している。そして、農民の作付けが買い入れの対象である穀物などに集中して備蓄過剰に陥りやすいだけでなく、買い入れ対象でない野菜・果実など園芸作物の普及や経営の多様化を阻害している。 インド農業省によると、農家の約85%が耕地面積2ヘクタール以下の小規模経営。分割相続でどんどん農地が小さくなるという背景もあるが、平均保有耕地面積は1975年の約2.3ヘクタールから、2015年度には1.1ヘクタールへと半減している。肥料や農薬のコストは上昇しているのに農産物価格がなかなか上昇しない、というのが農民らが昨年、各地で抗議行動を行った最大の背景だった。現地メディアが最近実施した調査では「農民の42%が農業をやめたいと考えている」という厳しい結果が明らかになった。 首都に迫るデモ隊に対し、政府は催涙弾や放水などかなり手荒な手段で排除を試みており、これが農民らの態度を硬化させている。新農業法に対する一連の抗議行動が政権基盤を揺るがす事態に発展する可能性もどうやら否定できない。 *第100回(2018.5.11)までのバックナンバーはこちら 感染拡大のペースは鈍っているものの、インドの新型コロナウイルス感染者はついに累計で1000万人を超えました。そんな中、モディ政権は「国家百年の大計」ともいうべき労働法改正に着手、長年の懸案だった農業改革でも大きな一歩を踏み出しました。しかし、肝心の農民の反応はご覧の通り。どこで情勢を見誤ったのでしょうか。中国とのケンカもなかなか収拾がつかず、米バイデン新政権への準備もあまりできていないような気がします。2021年のインドは内政・外交ともに難しくなりそうです。(主任研究員 山田剛) Source: https://www.jcer.or.jp/j-column/column-yamada/20201227.html
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